2017年4月に開業した、銀座最大級の商業施設GINZA SIX 内にある複合用途店舗である。

ラウンジ、宴会場、茶室、ダイニング、BAR、多目的ホールなどで構成され、
催事場がない施設において、その役割を担うことも想定された半パブリックな空間でもある。

海外からのゲストが多い立地と、クライアントであるバリューマネジメント株式会社の施設開発理念を鑑みて、全てのスペースに日本らしさを感じられることに重きをおいている。

単に和風とするのではなく、室の利用用途に則した機能のあるがままを受け入れた上で、空間構成やモチーフ、素材、またそれらの取り合わせを制御することで表現している。

各所のしつらえには、陶磁器・染物・金工(鉄器,箔)・織物・和紙・木工といった日本の伝統工芸によるものを採用している。昔ながらの技法を踏襲し守ることも大切だが、現代の生活にとけこむように試行錯誤した作品をつくることは、保存という観点においても有効ではないかと感じた。土産物屋で並んだ工芸品よりも、現代の日常生活で使われるものの方が「生きた」伝統と言えるのではないだろうか。